
皆さんこんにちは!
山口県宇部市、下松市を拠点に造船の配管、溶接、鉄工などを行っている
株式会社エヌテクノ、更新担当の富山です。
配管工事というと「管をつなぐ作業」が目立ちますが、実はその配管を 支える金具の存在 がなければ成り立ちません。
それが「配管支持金具の取付」です。
金具はあまり目立ちませんが、船舶の安全運航においては欠かせない存在。
ここでは、支持金具の役割や施工方法、職人の技術について詳しく見ていきましょう。
振動から守る
船は常にエンジン振動や波の揺れを受けます。金具がなければ、配管が擦れたり割れたりして破損につながります。
荷重の分散
長い配管は自重でたわみます。一定間隔で金具を取り付けることで荷重を分散し、破損を防ぎます。
安全確保
揺れで配管が外れると大事故につながる恐れも。金具は「命綱」と言っても過言ではありません。
バンド型:細い管を束ねて固定。
ハンガー型:天井や梁から吊るすタイプ。
サドル型:床や壁に固定。
スライド式:熱膨張に応じて動きを許容。
防振金具:ゴムやバネを組み込み、振動を吸収。
用途や環境に応じて最適な金具を選ぶ必要があります。
ルート図の確認
設計図をもとに金具の設置位置を決定。
取付基礎の準備
船体フレームや梁に溶接・ボルトで基礎を作る。
支持金具の設置
配管径や重量に応じたサイズを使用。
配管の仮置き・調整
配管を仮設置して水平・傾斜を確認。
本締め・仕上げ
振動対策や耐久性を考えた最終調整を行い完成。
船体の揺れを想定して「遊び」を持たせる
温度変化で膨張・収縮することを考慮
金具の間隔を均等にして美観と強度を両立
支持金具の配置が美しいと、それだけで職人の技術力がわかるとも言われます。
正確な測定・墨出し能力
溶接やボルト締結の技能
狭い場所での作業に耐える体力
「見えないところまで丁寧にやる」誠実さ
支持金具は完成後にはほとんど人の目に触れません。
しかし、それがあるからこそ 船は安全に世界の海を航行できる のです。
「目立たなくても、なくてはならない存在」――
そんな仕事に誇りを感じられるのが、この業務の魅力です。
次回もお楽しみに!
株式会社エヌテクノでは、一緒に働いてくださる仲間を募集中です!
山口県宇部市、下松市を拠点に造船の配管、溶接、鉄工などを行っております。
私たちが採用において最も大切にしているのは、「人柄」です。
ぜひ求人情報ページをご覧ください。皆さまのご応募を心よりお待ちしております!
皆さんこんにちは!
山口県宇部市、下松市を拠点に造船の配管、溶接、鉄工などを行っている
株式会社エヌテクノ、更新担当の富山です。
暑さ厳しい折、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
現場も気温に負けず、元気に稼働中です!
今月からブログ更新頑張っていきます!
造船業の中でも、配管工事はまさに「船の血管づくり」と呼ばれる重要な仕事です。
その第一歩が 「配管ルート設計」。
これは単に図面上で線を引く作業ではなく、船全体の機能性・安全性・メンテナンス性に直結する責任重大な工程です。
ここでは、配管ルート設計の具体的な内容や役割、現場での工夫ややりがいについて解説します。
船の内部は、エンジンや発電機、冷却装置、居住区、厨房、トイレなど、あらゆる設備がぎっしり詰まっています。
その限られた空間に 燃料・冷却水・油圧・空気・給排水・消火設備 など、多数の配管を通す必要があります。
もし設計を誤れば…
配管同士が干渉して施工できない
メンテナンス時にアクセスできない
揺れや熱によって破損リスクが高まる
といったトラブルが発生します。
だからこそ、配管ルート設計は 安全・効率・耐久性 のすべてを考慮した緻密な作業なのです。
基本設計の確認
造船設計士から渡される基本設計図をもとに、どの区画にどの配管が必要かを確認します。
機器配置とのすり合わせ
ポンプや冷却装置、タンクの位置が決まらないと配管も決まりません。艤装(ぎそう)設計チームと綿密に調整。
ルートのシミュレーション
CADや3D設計ソフトを用いて、配管の通り道をシミュレーション。配管が交差する部分やスペース不足がないかを検証します。
安全基準の確認
造船は国際規格(IMO規則)や船級協会の基準を守る必要があります。耐火距離や防爆区画など、規定を満たすルートであるかを確認。
施工図の作成
現場の職人が迷わず施工できるよう、詳細な施工図を作成。配管径・材質・接合方法まで指示します。
限られた空間との戦い
船内は人が立ち入れるスペースも限られ、機器が密集しています。わずか数センチのクリアランスが重要。
熱・振動への配慮
エンジン近くは高温、甲板近くは寒暖差が激しい。振動の影響も強いため、伸縮や揺れを吸収する柔軟性を持たせた設計が必要です。
メンテナンス性の確保
点検口やバルブに手が届くか、配管を交換するときに他を外さなくてもいいか――設計段階から将来を見据えた工夫が求められます。
CADソフトの操作(2D・3D)
造船規格・安全基準の知識
流体力学や圧力損失計算の基礎
現場経験に基づく空間把握力
単なる「設計者」ではなく、現場を知る設計者 が求められます。
配管ルート設計が成功すれば、施工現場はスムーズに進み、船の完成後もトラブルのない安心な運航が実現します。
「自分の設計が船の心臓部を支えている」――その誇りが、仕事のモチベーションにつながります。
次回もお楽しみに!
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