2025 8月 | 株式会社エヌテクノ
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見えない縁の下の力持ち!「配管支持金具の取付」の役割

皆さんこんにちは!

 

山口県宇部市、下松市を拠点に造船の配管、溶接、鉄工などを行っている

株式会社エヌテクノ、更新担当の富山です。

 

 

見えない縁の下の力持ち!「配管支持金具の取付」の役割

 

 


はじめに

 

配管工事というと「管をつなぐ作業」が目立ちますが、実はその配管を 支える金具の存在 がなければ成り立ちません。


それが「配管支持金具の取付」です。

金具はあまり目立ちませんが、船舶の安全運航においては欠かせない存在。


ここでは、支持金具の役割や施工方法、職人の技術について詳しく見ていきましょう。


配管支持金具の役割

 

  1. 振動から守る
     船は常にエンジン振動や波の揺れを受けます。金具がなければ、配管が擦れたり割れたりして破損につながります。

  2. 荷重の分散
     長い配管は自重でたわみます。一定間隔で金具を取り付けることで荷重を分散し、破損を防ぎます。

  3. 安全確保
     揺れで配管が外れると大事故につながる恐れも。金具は「命綱」と言っても過言ではありません。


配管支持金具の種類

 

  • バンド型:細い管を束ねて固定。

  • ハンガー型:天井や梁から吊るすタイプ。

  • サドル型:床や壁に固定。

  • スライド式:熱膨張に応じて動きを許容。

  • 防振金具:ゴムやバネを組み込み、振動を吸収。

用途や環境に応じて最適な金具を選ぶ必要があります。


施工の流れ

 

  1. ルート図の確認
     設計図をもとに金具の設置位置を決定。

  2. 取付基礎の準備
     船体フレームや梁に溶接・ボルトで基礎を作る。

  3. 支持金具の設置
     配管径や重量に応じたサイズを使用。

  4. 配管の仮置き・調整
     配管を仮設置して水平・傾斜を確認。

  5. 本締め・仕上げ
     振動対策や耐久性を考えた最終調整を行い完成。


現場の工夫

 

  • 船体の揺れを想定して「遊び」を持たせる

  • 温度変化で膨張・収縮することを考慮

  • 金具の間隔を均等にして美観と強度を両立

支持金具の配置が美しいと、それだけで職人の技術力がわかるとも言われます。


求められる技術と適性

 

  • 正確な測定・墨出し能力

  • 溶接やボルト締結の技能

  • 狭い場所での作業に耐える体力

  • 「見えないところまで丁寧にやる」誠実さ


やりがい

 

支持金具は完成後にはほとんど人の目に触れません。
しかし、それがあるからこそ 船は安全に世界の海を航行できる のです。

「目立たなくても、なくてはならない存在」――
そんな仕事に誇りを感じられるのが、この業務の魅力です。

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

株式会社エヌテクノでは、一緒に働いてくださる仲間を募集中です!

山口県宇部市、下松市を拠点に造船の配管、溶接、鉄工などを行っております。

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造船配管の核心!「配管ルート設計」の舞台裏

皆さんこんにちは!

 

山口県宇部市、下松市を拠点に造船の配管、溶接、鉄工などを行っている

株式会社エヌテクノ、更新担当の富山です。

 

 

暑さ厳しい折、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

現場も気温に負けず、元気に稼働中です!

 

 

今月からブログ更新頑張っていきます!

 

 

造船配管の核心!「配管ルート設計」の舞台裏


はじめに

 

造船業の中でも、配管工事はまさに「船の血管づくり」と呼ばれる重要な仕事です。


その第一歩が 「配管ルート設計」

これは単に図面上で線を引く作業ではなく、船全体の機能性・安全性・メンテナンス性に直結する責任重大な工程です。

ここでは、配管ルート設計の具体的な内容や役割、現場での工夫ややりがいについて解説します。


配管ルート設計とは?

 

船の内部は、エンジンや発電機、冷却装置、居住区、厨房、トイレなど、あらゆる設備がぎっしり詰まっています。


その限られた空間に 燃料・冷却水・油圧・空気・給排水・消火設備 など、多数の配管を通す必要があります。

もし設計を誤れば…

  • 配管同士が干渉して施工できない

  • メンテナンス時にアクセスできない

  • 揺れや熱によって破損リスクが高まる

といったトラブルが発生します。
だからこそ、配管ルート設計は 安全・効率・耐久性 のすべてを考慮した緻密な作業なのです。


配管ルート設計の流れ

 

  1. 基本設計の確認
     造船設計士から渡される基本設計図をもとに、どの区画にどの配管が必要かを確認します。

  2. 機器配置とのすり合わせ
     ポンプや冷却装置、タンクの位置が決まらないと配管も決まりません。艤装(ぎそう)設計チームと綿密に調整。

  3. ルートのシミュレーション
     CADや3D設計ソフトを用いて、配管の通り道をシミュレーション。配管が交差する部分やスペース不足がないかを検証します。

  4. 安全基準の確認
     造船は国際規格(IMO規則)や船級協会の基準を守る必要があります。耐火距離や防爆区画など、規定を満たすルートであるかを確認。

  5. 施工図の作成
     現場の職人が迷わず施工できるよう、詳細な施工図を作成。配管径・材質・接合方法まで指示します。


難しさと工夫

 

  • 限られた空間との戦い
     船内は人が立ち入れるスペースも限られ、機器が密集しています。わずか数センチのクリアランスが重要。

  • 熱・振動への配慮
     エンジン近くは高温、甲板近くは寒暖差が激しい。振動の影響も強いため、伸縮や揺れを吸収する柔軟性を持たせた設計が必要です。

  • メンテナンス性の確保
     点検口やバルブに手が届くか、配管を交換するときに他を外さなくてもいいか――設計段階から将来を見据えた工夫が求められます。


必要なスキル

 

  • CADソフトの操作(2D・3D)

  • 造船規格・安全基準の知識

  • 流体力学や圧力損失計算の基礎

  • 現場経験に基づく空間把握力

単なる「設計者」ではなく、現場を知る設計者 が求められます。


やりがい

 

配管ルート設計が成功すれば、施工現場はスムーズに進み、船の完成後もトラブルのない安心な運航が実現します。


「自分の設計が船の心臓部を支えている」――その誇りが、仕事のモチベーションにつながります。

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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