造船配管の核心!「配管ルート設計」の舞台裏 | 株式会社エヌテクノ
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造船配管の核心!「配管ルート設計」の舞台裏

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皆さんこんにちは!

 

山口県宇部市、下松市を拠点に造船の配管、溶接、鉄工などを行っている

株式会社エヌテクノ、更新担当の富山です。

 

 

暑さ厳しい折、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

現場も気温に負けず、元気に稼働中です!

 

 

今月からブログ更新頑張っていきます!

 

 

造船配管の核心!「配管ルート設計」の舞台裏


はじめに

 

造船業の中でも、配管工事はまさに「船の血管づくり」と呼ばれる重要な仕事です。


その第一歩が 「配管ルート設計」

これは単に図面上で線を引く作業ではなく、船全体の機能性・安全性・メンテナンス性に直結する責任重大な工程です。

ここでは、配管ルート設計の具体的な内容や役割、現場での工夫ややりがいについて解説します。


配管ルート設計とは?

 

船の内部は、エンジンや発電機、冷却装置、居住区、厨房、トイレなど、あらゆる設備がぎっしり詰まっています。


その限られた空間に 燃料・冷却水・油圧・空気・給排水・消火設備 など、多数の配管を通す必要があります。

もし設計を誤れば…

  • 配管同士が干渉して施工できない

  • メンテナンス時にアクセスできない

  • 揺れや熱によって破損リスクが高まる

といったトラブルが発生します。
だからこそ、配管ルート設計は 安全・効率・耐久性 のすべてを考慮した緻密な作業なのです。


配管ルート設計の流れ

 

  1. 基本設計の確認
     造船設計士から渡される基本設計図をもとに、どの区画にどの配管が必要かを確認します。

  2. 機器配置とのすり合わせ
     ポンプや冷却装置、タンクの位置が決まらないと配管も決まりません。艤装(ぎそう)設計チームと綿密に調整。

  3. ルートのシミュレーション
     CADや3D設計ソフトを用いて、配管の通り道をシミュレーション。配管が交差する部分やスペース不足がないかを検証します。

  4. 安全基準の確認
     造船は国際規格(IMO規則)や船級協会の基準を守る必要があります。耐火距離や防爆区画など、規定を満たすルートであるかを確認。

  5. 施工図の作成
     現場の職人が迷わず施工できるよう、詳細な施工図を作成。配管径・材質・接合方法まで指示します。


難しさと工夫

 

  • 限られた空間との戦い
     船内は人が立ち入れるスペースも限られ、機器が密集しています。わずか数センチのクリアランスが重要。

  • 熱・振動への配慮
     エンジン近くは高温、甲板近くは寒暖差が激しい。振動の影響も強いため、伸縮や揺れを吸収する柔軟性を持たせた設計が必要です。

  • メンテナンス性の確保
     点検口やバルブに手が届くか、配管を交換するときに他を外さなくてもいいか――設計段階から将来を見据えた工夫が求められます。


必要なスキル

 

  • CADソフトの操作(2D・3D)

  • 造船規格・安全基準の知識

  • 流体力学や圧力損失計算の基礎

  • 現場経験に基づく空間把握力

単なる「設計者」ではなく、現場を知る設計者 が求められます。


やりがい

 

配管ルート設計が成功すれば、施工現場はスムーズに進み、船の完成後もトラブルのない安心な運航が実現します。


「自分の設計が船の心臓部を支えている」――その誇りが、仕事のモチベーションにつながります。

 

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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山口県宇部市、下松市を拠点に造船の配管、溶接、鉄工などを行っております。

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